メグレと深夜の十字路
ジョルジュ・シムノン 著
長島良三 訳
河出書房新社 1980
メグレ警視シリーズ 第46作
河辺書房新社のメグレ警視シリーズ(1976~1980年に刊行)全50巻のうちの一冊。
未文庫化の作品はコレクターズ・アイテム扱いです。
全50冊順次出品します。
十字路に建つ「三寡婦の家」と呼ばれる屋敷――かつて三人の老嬢が変死したそこに、謎めいた片目の外国人とその妹が引っ越して来た。
既存の住人たち、ガソリンスタンドと保険屋の夫婦との間に、徐々に緊張が高まってゆく中で事件は起こった。
保険屋の自動車が盗まれ、三寡婦の家のガレージに駐められていたのだ。
そして、その車内にはアントワープのダイヤモンド商人の射殺死体が!
更に夫の死体を引き取りに来たその妻も矢継ぎ早に射殺され、事件はますます紛糾していく。
部下のリュカ刑事はは現場の十字路に異様な雰囲気を感じ取り、メグレ警視に忠告するが。
メグレシリーズではかなり初期の作品で、「男の首」「黄色い犬」「サン・フォリアン寺院の首吊人」とほぼ同時期のものです。
謎解き部分もしっかりしており、自分は見事に騙されました。
今回はメグレ・シリーズとしてはやや異色の展開に思えました。というのも篇中、やけに銃撃戦が多く、アクション・シーン満載だったので。シリーズ初期の作品とのことで、試行錯誤した結果、こういう展開になったのかと思いましたが、読後感はいつものメグレ・シリーズと同じで、特に奇をてらった感じでもないので少し不思議な感じもしました。もしかしたら警察小説の先輩各にあたるクロフツの「樽」か何かに影響されたのではないかと邪推しましたがどうでしょうか。
なぜ、初期の物を後半に読ませるのかも不可思議な異色作。機会があったらどうぞ。(レビューより)
写真のように汚れが見られますが中はきれいです。
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